山上宗二を想う

 

豊臣秀吉の怒りを買い

 

耳 と 鼻 を削がれ

打ち首にされた

天才茶人

 

それが

 

「山上宗二」です。

 

 

今日は、

 

そんな

山上宗二という

 

茶道の歴史には

なくてはならない

一人の優れた茶人の命日です。

 

 

私は

居合道の大会で大阪を訪れる度に

堺にあります「南宗寺」の

 

「山上宗二・供養塔」を訪れ、

手を合わせてきました。

 

ちなみに この南宗寺は

茶人の武野紹鴎、千利休が

修行したことで有名です。

 

 

ご存知の方も多いと思います。

 

ある日

利休が紹鴎に庭掃除を命ぜられ、

庭に行ってみると、

そこには 塵一つありません。

 

そこで利休は木々をさすって

わざと葉っぱを落とした・・

 

それを見た紹鴎は感心し、

利休を弟子にしたという

有名なエピソード。

 

 

こちらが 「武野紹鴎」の墓。

 

そして

 

 

こちらが 利休居士の供養塔です。

 

この堺こそ 多くの茶人が誕生した場所。

 

紹鴎、利休、

そして宗二も

ここで茶の湯を学びました。

 

 

ちなみに

昭和十年から刊行された

「茶道全集」全十五巻(創元社)の

全集第十二巻の茶人編(二)に

 

西堀一三(いちぞう)著の

「細川三斎と茶道」が収録されており、

 

この中で西堀氏が

「四祖伝書」の「三斎公伝書」に

「三斎初ハ薩摩屋宗二の弟子也」とあり、

 

細川忠興(三斎)公は初めは

山上宗二に茶を学んだ と書いています。

 

そして 後に

細川忠興(三斎)公が

利休居士に学んだのは、

宗二よりも「その主張が深く

同感せられるものがあった」からと

解釈し、

 

そして

「利休における侘び茶の主張は、

この三斎において

最もよく伝習された」とのこと。

※細川三斎・

茶の湯の世界(淡交社)から引用

 

「薩摩屋」とは宗二の屋号ですね。

 

『山上宗二記』は

茶道にとって重要な資料です。

 

それを書いた宗二は、

利休の 極めて重要な

高弟だったと思います。

 

利休の侘びへの傾斜に 戸惑いを隠さず

 

「山を谷、西を東と茶湯の法度を破り、

物を自由にす」と 批判とも取れる見解を

書き残してはおりますが

 

そんな事が言えたのも

宗二ならではのこと。

 

三斎公に指導した可能性は

十分あります。

 

 

ちなみに、こちらは南宗寺にある

古田織部が作ったと言われる庭。

 

織部もまた、利休だけでなく

宗二の美意識を少なからず

学んだことでしょう。

 

結局、古田家も

熊本の細川家に招かれ

肥後古流に受け継がれるのですが

※あまり知られていない茶道の歴史

肥後古流についてはコチラをどうぞ

 

宗二の影響は織部にも三斎公にも

両方にあったと思います。

 

 

私が

昨年、どうしても

神奈川県の小田原城に行きたかったのは

 

宗二が小田原で生きたから。

 

 

少しの時間でしたが

宗二のことを想うことができて

本当に嬉しかったことを思い出します。

 

 

あの天下人

秀吉に反逆してまで貫いた

宗二の美学。

 

秀吉は再登用しようとしたけれど、

仕えていた北条氏に義理立てしたため

秀吉の怒りを買い、

耳と鼻を削がれた上で

打ち首にされたと言われていますが

本当のことはわかりません。

 

享年46歳。

 

この季節になると

 

はかなく消えた

 

山上宗二という一人の茶人が

 

美しく咲いて散っている

桜の花のように思えて

 

手を合わせたくなるのです。

 

 

 

 

宗二はいなくなったけれど

 

彼の美意識は私達の心に

 

永遠の花を咲かせているように

思えてなりません。

 

 

 

茶道を愛する方へ・・

 

茶の湯へのひたむきさから、

天下人秀吉にへつらうことなく、

 

ついには惨殺されるにいたった

山上宗二(1544‐90)。

利休の茶にふれてきた一の弟子が、

死を予感しつつ、

 

みずから得たものを

あますところなく書き記した

茶の湯伝書

 

「山上宗二記」に興味のある方は

岩波文庫から出版されていました。

今まで知らなかった茶の世界に出会えます。

 

 

 

 

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